見えない司令塔の秘密
section1:ホルモン―ホルモンが体を動かす一連のしくみ
Section 2:感情ホルモン―気持ちをつくる化学の力
Section 3:代謝を司るホルモンとその働きsection4:副腎とストレスホルモンの関係
section5:性ホルモンと心身のバランス
section6:食欲と血糖コントロールのホルモン
Section 1:ホルモン
ホルモンが体を動かす一連のしくみ
ホルモンは作用を知ることから始まる。
ホルモンは「どこから出るか」よりも、「どう指令が出て、体に作用するか」を知ることが重要です。
この流れを理解することで、日常の不調や感情の波を“原因レベル”から整えることができます。
その流れは、大きく3ステップで成り立っています。
① 司令を出す(脳)
- 脳の視床下部がセンサーとなり、光・温度・ストレス・血糖・ホルモン濃度など情報をモニタリング。
- そこで「どのホルモンを、どれくらい出すか」を判断し、脳の下垂体を経由して各臓器に命令を送る。例)
例:朝日を浴びる → 視床下部が反応 → セロトニン(幸せを感じる)の分泌を指令する。
② 材料を受け取り作る(腸などの内臓)
腸はホルモンの“材料工場”として特別な役割を持ちます。
- 栄養を吸収し、セロトニンやGABA(脳と体に落ち着きをもたらす)など感情ホルモンの材料を作る。
- 腸内環境が悪いと、材料不足や炎症が起こり、全ホルモンの質が低下する。
その他の内臓(副腎・甲状腺・膵臓・卵巣/精巣など)は、その材料を使ってホルモンを合成する“ホルモン合成工場”です。
③ 体と心に作用させる(全身)
- 合成されたホルモンは血流に乗って全身へ運ばれます。
- 代謝を上げる、食欲を調整する、気分を安定させる、免疫を活性化するなど、生命活動を裏側からコントロールします。
- ただし、ホルモンは神経のような瞬間的な伝達ではなく、血液を通じてじわじわと広がるため、効果も回復も時間がかかるのが特徴です。
まとめ
- 栄養不足・睡眠不足・腸内環境の乱れは「材料不足」や「命令ミス」を引き起こし、全ホルモンに影響する。
- 整えるには 「司令(脳)× 材料(栄養)× 工場(腸・内臓)」 の3本柱が必須。
- たった1つのホルモンが乱れるだけで、感情・代謝・免疫など複数の不調が同時に現れる。
Section 2:感情ホルモン
―気持ちをつくる化学の力
気分の波を整える、感情ホルモン完全ガイド
私たちの感情は、脳や腸から分泌される“感情ホルモン”に大きく左右されています。
やる気、安心感、幸福感、集中力、そして睡眠の質──そのすべてにホルモンが関わります。
このセクションでは、感情をつくる主要ホルモンと、日常で整える方法を解説します。
セロトニン(安心感・心の安定)
脳と腸の両方で作られるホルモン。腸で約90%、脳で約10%が作られます。
腸のセロトニンは脳に直接届かないため、それぞれを別のルートで整える必要があります。
セロトニンの役割(腸)
- 腸のぜん動運動を促し、便通を整える
- 腸内環境を安定させ、免疫機能にも影響する
セロトニンの役割(脳)
- 気分を安定させ、安心感や幸福感をもたらす
- 睡眠リズムや食欲の調整に関わる
不足すると
- 腸:便秘や下痢、腹部の不快感、腸内環境の乱れによるメンタル不調や肌荒れ
- 脳:イライラ、不安感、うつ症状、睡眠障害
過剰になると
- 脳:興奮、混乱、高体温など(セロトニン症候群)
整え方(腸・脳共通)
トリプトファンをセロトニンに変えるためのビタミンB6(まぐろ、鶏肉、にんにく、ピスタチオなど)を合わせて摂取するセロトニンの役割(腸)
朝日を浴びる、リズム運動(ウォーキング・咀嚼など)、適度な運動
発酵食品や食物繊維を摂って腸内環境を整える
トリプトファンを含む食品(大豆製品、乳製品、魚、肉、卵、バナナなど)を摂る
ドーパミン(やる気・行動力)
ドーパミンの役割
- やる気や集中力を高め、達成感や喜びを感じさせる
- 学習や記憶、運動のコントロールにも関わる
不足すると
- 無気力、集中力低下、楽しみを感じにくくなる
- 動作が遅くなる、うつ症状が出やすくなる
過剰になると
- 衝動的な行動や依存症(ギャンブル・買い物・薬物)になりやすい
- 妄想や幻覚など精神症状が出る場合がある
乱れやすい要因
- 睡眠不足、朝日を浴びない生活
- 栄養不足(特にトリプトファン・ビタミンB6)
- 腸内環境の乱れ、慢性的ストレス
整え方
- 小さな目標を決めて達成する、好きな趣味や運動に取り組む
- 朝日を浴びる、バランスの取れた食事でたんぱく質をしっかり摂る
オキシトシン(信頼・つながり)
役割
- 人との信頼や絆を深め、安心感や幸せな気持ちを作る
- ストレスをやわらげ、心を落ち着かせる
- 出産や授乳を助け、痛みをやわらげる
不足すると
- 孤独や不安を感じやすくなる
- 人に優しくしたり共感する力が弱くなる
- 気分が不安定になったり、眠りが浅くなる
過剰になると
- 相手に依存しすぎたり、他の人を排除しやすくなる
- 血圧が下がる、水分のとりすぎで体調を崩す
- 出産時に子宮が収縮しすぎることがある
乱れやすい要因
- 睡眠不足、長期的なストレス
- 高脂肪・高糖質の偏った食事
- 達成感や成功体験の欠如
- 整え方
ハグや手をつなぐなどのスキンシップ、笑顔や感謝の言葉のやりとり
安心できる環境づくりや、音楽・自然に触れる時間を作る。発酵食品を食べる。
GABA(リラックス・緊張緩和)
役割
- 脳の興奮を抑えてリラックスさせ、ストレスや不安を和らげる
- 睡眠の質を整え、筋肉の緊張をほぐす
不足すると
- イライラや不安感が増え、集中力や睡眠の質が低下する
- 筋肉がこわばりやすくなる
過剰になると
- 強い眠気やふらつきが出る場合がある
- 意識がぼんやりして反応が鈍くなることもある(サプリや薬で過剰摂取時)
乱れやすい要因
- 人間関係の孤立、過度な孤独時間
- 信頼できる交流の不足
- 精神的ストレスやトラウマ
整え方
- 発芽玄米、トマト、じゃがいも、緑茶などGABAを含む食品を摂る
- 深呼吸やヨガ、瞑想などで副交感神経を高める
アドレナリン(集中・緊急対応)
役割
- 危険やストレスに反応し、瞬時に行動できるよう心拍数や血圧を上げる
- 集中力や瞬発力を高める
不足すると
- 活力や集中力が低下し、やる気が出にくくなる
- 緊急時に反応が遅くなる
過剰になると
- 動悸や不安感、イライラ、血圧上昇
- 慢性的に高い状態が続くと、疲労や免疫低下
乱れやすい要因
- 長期的なストレスや過労
- 睡眠不足
- 過剰なカフェイン摂取
整え方
- 適度な運動や深呼吸でバランスを保つ
- 睡眠をしっかりとり、過度なストレスを避ける
ノルアドレナリン(集中・緊急対応)
役割
- 集中力や注意力を高め、判断力をサポート
- 血圧や血糖を上げてエネルギーを確保する
不足すると
- 無気力、集中力低下、抑うつ傾向
- 判断力が鈍る
過剰になると
- 不安感、緊張、睡眠障害
- 高血圧や頭痛
乱れやすい要因
- 精神的ストレス過多
- 運動不足
- 睡眠不足
整え方
- 有酸素運動や軽い筋トレで適度に分泌を促す
- 趣味や学びで適度な刺激を取り入れる
エンドルフィン(幸福感・痛み緩和)
役割
- 強い鎮痛作用で痛みを和らげる
- 幸福感や高揚感をもたらし、ストレスを軽減する
不足すると
- 疲れやすく、ストレスや痛みに弱くなる
- 気分が落ち込みやすくなる
過剰になると
- 痛みに鈍感になり、ケガや体調不良に気づきにくくなる
- 高揚感による無理な行動や依存傾向が出る場合がある
乱れやすい要因
- 運動不足
- 笑いや感動体験の欠如
- 慢性的なストレス
整え方
- 有酸素運動(ランニング・ダンスなど)や笑う習慣を持つ
- 音楽や趣味に没頭する時間を作る
メラトニン(睡眠・体内時計)
役割
- 体内時計を整え、自然な眠りを促す
- 抗酸化作用で細胞を守り、免疫機能をサポートする
不足すると
- 寝つきが悪くなる、睡眠が浅くなる
- 昼間の集中力低下や疲労感が出やすくなる
過剰になると
- 強い眠気やだるさ、頭痛
- 体温低下や気分の落ち込みが出る場合がある(サプリ過剰摂取時)
乱れやすい要因
- 光を浴びない生活
- 夜更かし、ブルーライト過多
- 昼夜逆転生活
整え方
- 朝に太陽光を浴び、夜は強い光やブルーライトを避ける
- 規則正しい生活と就寝前のリラックスタイムをつくる
💡実践方法①:セロトニンを作る材料と食品例
セロトニンの材料は主に必須アミノ酸のトリプトファンや、合成を助けるビタミンB6・葉酸などです。セロトニンの前駆体であるドーパミンを助ける栄養素も気分の安定に役立ちます。
日常で取り入れやすい食品例は以下の通りです。
食品 | 主な成分・働き | ポイント |
---|---|---|
鹿肉(またはマグロ、鶏肉、ターキー、えび) | トリプトファン(セロトニン前駆体) | 牛肉より低脂質・高タンパク |
マーマイト(酵母ペースト) | 葉酸、ビタミンB群 | 葉酸不足はセロトニン生成不足につながる |
パイナップルジュース | メラトニン生成促進、ビタミンC | 安眠・気分改善、抗酸化作用 |
カカオニブ | チロシン(ドーパミン生成サポート) | 砂糖・脂質無添加を選び、週に大さじ3杯程度 |
ソラマメ | レボドパ(ドーパミン前駆体)、食物繊維 | 食欲抑制効果も期待できる |
牛乳 | コルチゾール(ストレスホルモン)低下、満腹感 | 就寝前のホットミルクで安眠・食欲抑制 |
海藻類 | チロシン(ドーパミン前駆体) | 小腹満たし・減量サポートにも有効 |
※コルチゾールについてはsection4で説明
💡実践方法②:
1.行動(日常の動きで整える)
- 朝は光とリズム運動で脳をONに
例:散歩3–10分/階段を使う/ガムを噛む - たんぱく質+ミネラルで“材料”を確保
例:卵・魚・赤身肉+鉄・亜鉛・ビタミンB群 - 腸を発酵食品+水溶性食物繊維で満たす
例:味噌・納豆・ヨーグルト/海藻・オートミール
2.人間関係(つながりを活かして整える)
- 笑い・感謝・交流でつながりホルモンを増やす
例:声に出して感謝/ハグ/小さな親切をする - 信頼関係を築く習慣
例:定期的に連絡を取る/食事を共にする/相手の話を最後まで聴く
3.環境ベース(休養・場の整え方で整える)
- 夜は光と情報を遮断してメラトニンを守る
例:就寝1時間前に画面OFF/照明を落とす - 安心できる休養環境を整える
例:照明は暖色系/寝具を清潔に保つ/香りや音楽でリラックス
ホルモンはバランスが大事
ホルモンは体の機能を正常に保つために分泌されます。
どれか1つだけを増やすことに偏ると、別のホルモンとのバランスが崩れ、不調の原因に。
疲れやすさ・眠れない・やる気が出ない・気分の落ち込みなどがある場合、ホルモンバランスの乱れが関係しているかもしれません。
まとめ
感情の安定、やる気、幸福感、集中力、睡眠の質。これらはすべて“感情ホルモン”の働きで決まります。
作られる場所と役割が異なるため、それぞれに合ったケアで脳と腸の両方から整えることが重要です。
- 脳のホルモン → 感情や行動の司令塔。生活リズム・光の刺激・たんぱく質+ビタミンB群がカギ。
- 腸のホルモン → 消化、免疫、炎症コントロールの土台。発酵食品、水溶性食物繊維、ストレスケアがカギ。
- ドーパミン・オキシトシンは人間関係や行動習慣、GABA・メラトニンは休養環境によって大きく変動。
✎感情ホルモン 比較表
ホルモン | 主な役割 | 乱れやすい人 | 実践法 |
---|---|---|---|
脳セロトニン | 感情安定・集中力・やる気の土台 | 朝日を浴びない、夜型、たんぱく質不足 | 朝散歩・リズム運動/卵・バナナ+B6/夜は照明を落とす |
腸セロトニン | 消化・免疫調整、腸のぜん動促進 | 腸内環境悪化、便秘や下痢、食物繊維不足 | 発酵食品・水溶性食物繊維/よく噛む/ストレス軽減 |
ドーパミン | やる気・達成感 | 鉄・たんぱく質不足、単調な生活、慢性ストレス | 小ゴール設定/赤身肉・大豆+鉄/新しい刺激 |
オキシトシン | 信頼・安心感、免疫向上 | 孤立、スキンシップ不足、感情を閉じ込めがち | 会話・ハグ・感謝/発酵食品 |
GABA | リラックス・緊張緩和 | 睡眠不足、カフェイン過剰、焦りやすい性格 | 深呼吸・ぬるめ入浴/発芽玄米・カカオ |
アドレナリン/ノルアド | 集中・緊急対応 | 慢性ストレス、長時間緊張状態、運動不足 | 短時間高強度運動/休憩を細かく |
エンドルフィン | 幸福感・痛み緩和 | 笑い・趣味不足、運動不足 | 音楽・ダンス・スパイス料理 |
メラトニン | 睡眠・体内時計調整 | 夜更かし、ブルーライト過多、不規則生活 | 朝日を浴びる/夜照明を落とす/画面オフ |
この表を活用して、自分の今の状態をチェックし、日々の食事・習慣でコントロールしていきましょう。
Section 3:代謝を動かすホルモン
燃やす体をつくる代謝ホルモンの働きと整え方
代謝ホルモンは、体の中でエネルギーを作って燃やし、体温や活動を支える“エンジン”のような存在です。
「痩せやすい・太りやすい」「疲れやすい・元気が出る」といった違いは、この代謝ホルモンの働きとも深く関係しています。
ここでは、代表的な代謝ホルモンと、それを整えるためのヒントを紹介します。
代表的な代謝ホルモン
甲状腺ホルモン
(・T4【サイロキシン】:主に甲状腺から分泌される形。体内でT3に変換されて使われる。T3【トリヨードサイロニン】:活性型で、代謝を直接高める作用が強い。
役割
- 代謝を促し、体温・心拍・エネルギー産生・消費を調整する
- 成長や脳の発達にも関与する
不足すると(甲状腺機能低下症)
- 疲れやすい、体重増加、むくみ、便秘
- 寒がり、皮膚や髪が乾燥、気分の落ち込み
過剰になると(甲状腺機能亢進症)
- 動悸、息切れ、体重減少、手の震え
- 暑がり、発汗過多、イライラや不眠
乱れやすい要因
- ヨウ素不足または過剰摂取
- 極端な食事制限、
- 慢性的なストレス
- 自己免疫疾患
整え方
- ヨウ素(海藻類)やたんぱく質を適量摂る
- 過剰なヨウ素摂取や極端な食事制限を避け、定期的な健康チェックを行う
インスリン(膵臓)
役割
- 食事で上がった血糖をエネルギーとして細胞に運び、血糖値を下げる。
- 余ったブドウ糖を脂肪やグリコーゲンとして蓄える
不足すると(分泌低下・作用不良)
- 高血糖、口渇、多尿、体重減少(糖尿病の症状)
- 疲れやすく、感染症にかかりやすくなる
過剰になると
- 低血糖症(ふらつき、冷や汗、意識低下)
- 脂肪蓄積が進み、肥満やインスリン抵抗性のリスク上昇
乱れやすい要因
- 高糖質・高カロリー食の習慣
- 運動不足
- 過体重
- 慢性的な過食や間食
整え方
- 適正な糖質摂取と食物繊維を意識した食事
- 筋トレや有酸素運動でインスリン感受性を高める
グルカゴン(膵臓)
役割
- 血糖値が下がったとき(空腹時)に肝臓からブドウ糖を出し、エネルギーを確保する(血糖値を安定させる)
- 脂肪分解を促してエネルギー源として利用する
不足すると
- 低血糖になりやすく、めまいやふらつきが起こる
- 運動時や空腹時にエネルギー不足を感じやすい
過剰になると
- 高血糖が続き、糖尿病の悪化につながる
- 体重減少や筋肉分解が進む場合がある
乱れやすい要因
- 極端な糖質制限
- 長時間の空腹
- たんぱく質不足
- 低栄養状態
整え方
- 良質なたんぱく質を含む食事で安定した分泌を保つ
- 極端な糖質制限や長時間の断食を避ける
コルチゾール(副腎)
役割
- ストレスに対抗するために血糖値や血圧を上げ、体を活動状態にする
- 代謝や免疫機能の調整、アレルギーなどの炎症を抑える作用がある
不足すると(副腎機能低下など)
- 強い疲労感、低血圧、体重減少
- ストレスに弱くなり、集中力や気力が低下する
過剰になると(慢性的ストレス・クッシング症候群など)
- 高血糖、高血圧、内臓脂肪の増加
- 不眠、免疫力低下、筋肉減少、骨粗しょう症
乱れやすい要因
慢性的なストレス、睡眠不足、カフェイン・アルコールの過剰摂取、昼夜逆転生活。整え方
- 睡眠の確保、適度な運動、深呼吸や瞑想でリラックス
- カフェイン・アルコールの過剰摂取を避け、バランスの良い食事を心がける
※詳しくはsection4で説明。
成長ホルモン(脳)
役割
- 骨や筋肉の成長、代謝促進、脂肪分解をサポート
- 傷や疲労の回復、肌や髪の健康維持に関与する
乱れやすい原因
夜更かし、運動不足、甘い物の食べ過ぎ
不足すると
- 子どもでは発育不良(低身長)
- 大人では筋力低下、脂肪増加、疲労感、肌の老化が進む
過剰になると
- 子どもでは巨人症、大人では末端肥大症(手足・顎などの肥大)
- 関節痛や内臓肥大、高血圧のリスク上昇
乱れやすい要因
- 夜更かしや短時間睡眠
- 運動不足
- 糖質過多、たんぱく質・亜鉛・ビタミンB群不足。
整え方
- 深い睡眠(特に入眠後3時間)を確保する
- 適度な筋トレ・有酸素運動、良質なたんぱく質、牡蠣などに含まれる亜鉛、玄米などに含まれるビタミンB群
💡実践方法
- 朝日を浴びて代謝スイッチON
起床後すぐにカーテンを開け、朝日を3〜5分浴びる。常温水をコップ1杯飲み、内臓を目覚めさせる。 - 朝食にたんぱく質+ミネラル
卵・魚・赤身肉などのたんぱく質に、海藻・ナッツ・味噌などで鉄・亜鉛・ヨウ素をプラス。 - 食べ方で血糖を安定
「野菜→たんぱく質→炭水化物」の順で食べる。白米は玄米や雑穀米に置き換え。食後は10分歩く。 - 間食は“ホルモン材料”を意識
ゆで卵・ナッツ・チーズ・ヨーグルトなどで、たんぱく質と良質な脂質を確保。極端な断食や糖質ゼロは避ける。 - ストレスをこまめにリセット
1時間に1回深呼吸と肩回し。ビタミンC(キウイ・パプリカ・オレンジ)を毎食1品。 - 運動で代謝を底上げ
日常では早歩きや階段利用、週2〜3回の筋トレ(スクワット・プランク)。運動後はたんぱく質補給。 - 睡眠で回復とホルモン分泌を確保
就寝90分前からブルーライトオフ。寝る2時間前までに食事を終える。寝室は真っ暗&涼しめに。
まとめ
- 代謝ホルモンは体のエンジン。痩せやすさ・元気・免疫力の基礎をつくります。
- 偏った生活や食事は、ホルモンのバランスを崩し、疲れやすさ・太りやすさ・冷えなどの原因に。
- 朝の光・海藻+たんぱく質・規則正しい食事・適度な運動・質の高い睡眠が、代謝ホルモンの整え方の王道です。
✎チェックの合図一覧
- 朝の体温が低い
- 食後に眠くなる
- 甘いものがやめられない
- 冷えやむくみが強い
これらが続く場合は、代謝ホルモンの乱れがサインかもしれません。日々の食事・習慣から、少しずつ整えていきましょう。
Section4:副腎とストレスホルモンの関係
小さな副腎が守る、大きな健康
約5gの副腎は、ストレスに立ち向かい、血圧やエネルギー、体の水分バランスまで整える司令塔です。
しかし酷使しすぎると、守る力が弱まり、疲れ・むくみ・不調が一気に押し寄せます。
ここでは、副腎の仕組みと、健康のカギを握るホルモンたちを解説します。
副腎の構造と役割
副腎は左右の腎臓の上に乗っている小さな臓器で、「副腎皮質」と「副腎髄質」に分かれます。
- 副腎皮質:生命維持に必須のホルモンを分泌
- コルチゾール(糖質コルチコイド):血糖維持、炎症抑制、ストレス対応
- アルドステロン(鉱質コルチコイド):ナトリウムと水分の保持、血圧の安定
- 性ホルモンの前駆体:男性ホルモン・女性ホルモンの材料
- 副腎髄質:交感神経と連動し、瞬発的な反応を起こす
- アドレナリン・ノルアドレナリン:集中力や心拍数上昇、血圧上昇で「戦うor逃げる」反応
ストレスホルモンの要点(おさらい)と食材例
コルチゾール(糖質コルチコイド)
- ストレス時にエネルギーを動員し、炎症を抑える。過剰だと免疫低下や筋肉減少の原因に。
- 整える食材:
- ビタミンC:パプリカ、キウイ、ブロッコリー(副腎を守る栄養)
- たんぱく質:鶏胸肉、魚、卵(ホルモン材料)
- オメガ3脂肪酸:サーモン、くるみ(炎症抑制)
アドレナリン・ノルアドレナリン
- 瞬間的に集中・覚醒を高めるが、出しっぱなしは疲弊を招く。
- 整える食材:
- チロシン(アドレナリンの材料):鶏肉、チーズ、大豆製品
- ビタミンB群:豚肉、玄米、納豆(神経系サポート)
- マグネシウム:アーモンド、海藻(過剰な緊張を和らげる)
※これらはSection3で詳しく解説済み。ここでは復習として触れます
アルドステロン(鉱質コルチコイド)
- 役割:体内の水分と塩分(ナトリウム)バランスを保ち、血圧を安定させる。
- むくみとの関係:
- 多すぎる → ナトリウムと水分をため込みすぎ → むくみや高血圧に
- 少なすぎる → ナトリウム不足で血圧が下がり、だるさ・めまい・脱水感が出やすい
- 整えるポイント:
水分と塩分の“ちょうどいいバランス”が大切。極端な塩分制限や過剰摂取はNG。
野菜や海藻に含まれるカリウムは、余分なナトリウムを流してくれる。 - 整える食材:
- カリウム:バナナ、アボカド、ほうれん草
- マグネシウム:ナッツ、ひじき、玄米
- 良質な塩(天然塩)を適量
- 水分をこまめに補給
※むくみについてはchapter8で詳しく記載
💡実践方法
- 塩分は極端に減らさず、質を意識(天然塩を適量)
- カリウム・マグネシウムを毎日摂る(野菜・海藻・ナッツ)
- ビタミンC・B群・たんぱく質で副腎の材料を補給
- 短時間の深呼吸や軽い運動で緊張リセット
- カフェインは午前中までに
- 睡眠をしっかり確保(副腎は休息中に回復)
まとめ
- 副腎は、エネルギー・血圧・水分バランス・炎症抑制まで担う“小さな守り手”。
- コルチゾール・アドレナリン・アルドステロンの3つがバランスよく働くことで、ストレスや環境変化に強い体を保てる。
- 栄養と休息で副腎を守れば、疲れ・むくみ・集中力低下などの不調を防ぎ、日々のパフォーマンスを高めることができる。
Section5:性ホルモンと心身のバランス
見た目・感情・体調すべてに関わる“美と活力のホルモン”
性ホルモンは、単に生殖機能だけでなく、肌・髪・筋肉・骨・代謝・感情の安定にまで影響します。
女性は主にエストロゲンとプロゲステロン、男性はテストステロンが中心ですが、男女ともにすべてのホルモンが体内に存在します。
年齢やストレス、生活習慣によって分泌量は変化し、バランスが崩れると外見や気分、体調に直結します。
主な性ホルモンと役割
エストロゲン(卵胞ホルモン)
- 役割:肌や髪のツヤ、骨密度の維持、コレステロール調整、感情の安定
- 乱れやすい原因:加齢(閉経)、過度な糖質制限、過剰なストレス、低体脂肪
- 主な食材:
- 大豆製品(納豆・豆腐・味噌)※イソフラボン
- ゴマ、亜麻仁、ナッツ類(リグナン)
- 良質なたんぱく質(魚・鶏肉・卵)
プロゲステロン(黄体ホルモン)
- 役割:妊娠準備、体温上昇、むくみ調整、感情の落ち着き
- 乱れやすい原因:睡眠不足、ストレス、過剰な糖質・カフェイン
- 主な食材
- ビタミンB6(バナナ、サーモン、玄米)
- マグネシウム(アーモンド、ほうれん草、ひじき)
- 良質な脂質(オリーブオイル、アボカド)
テストステロン(男性ホルモン)
- 役割:筋肉量・骨密度維持、やる気・集中力、代謝アップ
- 乱れやすい原因:運動不足、過剰なアルコール、肥満、睡眠不足
- 主な食材:
- 亜鉛(牡蠣、牛肉、カシューナッツ)
- 高たんぱく食品(赤身肉、卵、魚)
- ビタミンD(鮭、卵黄、きのこ)
性ホルモンバランスが崩れたときのサイン
- 生理不順・PMS悪化・更年期症状
- 肌荒れ・髪のパサつき・抜け毛
- 筋力低下・疲れやすい・集中力の低下
- 気分の落ち込み・イライラ
💡実践方法
- 毎日たんぱく質+良質脂質をセットで摂る(ホルモン材料)
- 大豆食品を週に3〜4回取り入れる(植物性エストロゲン。生理痛やPMSが多い方は摂りすぎに注意しましょう。)
- 筋肉に負荷をかける運動を習慣化(テストステロン維持)
- 睡眠は最低6〜7時間確保(ホルモン分泌のゴールデンタイム)
- カフェイン・アルコールの過剰摂取を避ける
- ストレス管理(呼吸法・趣味時間・適度な外出)
まとめ
- 性ホルモンは“若さと魅力のスイッチ”。
- 見た目・感情・体調すべてを整えるためには、エストロゲン・プロゲステロン・テストステロンの3つをバランスよく保つことが重要。
- 年齢や環境によって変化するからこそ、食事・運動・休養で日々のメンテナンスを続けることが、美と活力を保つ近道。
Section6:食欲ホルモン
食欲を味方にするホルモンの話
食欲や食事の満足感は、単なる“意思の力”ではなくホルモンの働きに大きく左右されます。
特に上記でお話しした血糖値や代謝に関わるホルモンは、日々の食習慣・睡眠・ストレスに敏感に反応します。
バランスが崩れると、暴飲暴食や慢性的なエネルギー不足、太りやすさの原因となります。
ここでは、食欲・血糖コントロールに関わる主要なホルモンとその整え方を学びます。
食欲をコントロールするホルモン
レプチン(満腹ホルモン)
役割:脂肪細胞から分泌され、脳に「もう食べなくていい」という信号を送る。
乱れやすい原因:過食、睡眠不足、加工食品や糖質過多。
主な食材:魚、ナッツ、オメガ3脂肪酸を含む食品。
グレリン(空腹ホルモン)
役割:胃から分泌され、脳に「お腹が空いた」と伝える。
乱れやすい原因:不規則な食事、睡眠不足、極端な低カロリー食。
主な食材:肉・魚・卵などのたんぱく質食品で抑えやすい。
食欲を抑える&血糖値を下げるホルモン
GLP-1
役割:食後に小腸から分泌され、膵臓に働きかけてインスリン分泌を促進し血糖値を下げる。
さらに脳や胃に作用して満腹感を持続させ、自然に食欲を抑える。
特徴:近年、糖尿病治療やダイエットサポートとして注目(GLP-1受容体作動薬など)。
乱れやすい原因:高脂肪・高糖質食、腸内環境の悪化、不規則な食事。
主な食材:発酵食品(納豆、ヨーグルト、キムチ)、水溶性食物繊維(海藻、オートミール、野菜)、良質たんぱく質(魚、鶏肉、卵)。
※GLP-1薬(注射含む)は、食欲や血糖を制御し肥満改善や血糖コントロールに有効などとされています。一方、最新の研究結果では、体重減少のうち、最大40%筋肉量の減少することが知られており、代謝低下や心肺機能低下など関連付けて考えられます。また、栄養不足や食の楽しみ喪失による気分低下、薬への心理的依存リスクもあり、運動と十分な栄養が大切です。
その他ホルモン
インスリン・コルチゾールなども食欲に左右されるホルモンです。
- 血糖値を安定させること
- ストレスを溜めすぎないこと
- 代謝を落としすぎないこと
など、ポイントとしてあげられます。
食欲は3つのつながりでコントロールされている
感情ホルモン(セロトニン・ドーパミン・オキシトシン)
→ 心の安定・やる気・信頼感をつくる。ここが乱れると、ストレス食いや衝動的な食欲が増える。
食欲ホルモン(レプチン・グレリン・GLP-1)
→ 満腹感と空腹感を調整する。感情や血糖の影響を受けやすい。
血糖ホルモン(インスリン・コルチゾール)
→ エネルギー供給の土台を支える。ここが不安定だと、食欲司令塔・感情司令塔も乱れる。
「感情の乱れ → 食欲の乱れ → 血糖の乱れ → 再び感情が乱れる」
どこか1つでも乱れると、他のラインにも波及し、暴飲暴食やエネルギー不足のループに入りやすくなります。
まとめ
- 食欲は脳だけでなく、胃・腸・血糖の連携で決まる
- GLP-1をはじめとする食欲抑制ホルモンは、腸内環境・たんぱく質・発酵食品で自然に高められる
- 血糖の急上昇・急降下を避けることで、感情ホルモンと食欲ホルモンの安定を保つ
- 睡眠・ストレス管理が、満腹感と空腹感のバランスに直結する
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